「私が頼めば」ＦＲＢ議長は退任、トランプ氏が発言　解任権限を示唆

（ＣＮＮ） トランプ米大統領は１７日、米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のパウエル議長を解任する権限が自身にあるとの認識を示唆した。これに先立ち、トランプ氏はＳＮＳでパウエル氏を痛烈に批判し、「一刻も早く」退任すべきだと述べていた。

トランプ氏はホワイトハウス執務室でイタリアのメローニ首相と会談した際、記者団に「彼は去るだろう。私が頼めばあそこからいなくはるはずだ」と語った。

さらに「彼は職務を果たしていないと思う。いつも遅すぎる。やや動きが鈍く、私は満足していない。本人にも伝えた。もし私が退任を望めば、彼は即座にあそこから去るだろう」と言及。傍らには異なる見解を持つベッセント財務長官が同席していた。ベッセント氏は今週、ブルームバーグ通信とのインタビューで「金融政策は宝石箱。守らねばならない」と語っていた。

トランプ氏はパウエル氏の解任を試みているのかとの追加質問を受けたが、これは無視した。

パウエル氏は１６日、シカゴでの経済イベントで、トランプ政権が「予想を大幅に上回る」包括関税を含む「根本的な政策変更」をもたらしたと指摘。これほどの変化は現代史に類例がなく、ＦＲＢを未知の局面に追い込むものだと述べ、ＦＲＢは数十年ぶりの難局を迎えているとの認識を示していた。

パウエル氏は、ＦＲＢ議長の解任は「法律上認められない」と明言し、残りの任期を全うする意向を示している。