民族抗争の報復懸念で数千人が避難 インド
ニューデリー(CNN) 先住民とイスラム教徒との衝突が発生したインド北東部アッサム州などから逃れた人々が、報復攻撃を恐れてパニックに陥り、避難先の都市から再び逃げ出したのを受け、インド当局は17日、国民に冷静な対応を呼びかけた。
アッサム州出身の学生や労働者らによると、最近、同州で数週間続く民族衝突に対する報復が行われるとの携帯メールを受け取ったという。このメールがきっかけとなり、ムンバイ、プネ、ハイデラーバード、バンガロールなどの都市から7000人もの人々が逃げ出す騒ぎとなった。
これを受け、インド当局は向こう15日間、1回に5通以上の携帯メールの送信を禁じる措置を取った。またインドのシン首相は、全国各地で暮らす北東部出身の人々の安全確保に全力を尽くすとし、国民の結束を訴えた。
アッサム州では7月19日、イスラム教徒の少年2人が先住民のボド族のメンバーに撃たれ、その報復としてイスラム教徒がボド族のメンバー4人を殺害したことから暴動が広がった。警察によると、これまでに少なくとも80人が死亡し、30万人以上の人々が避難を余儀なくされたという。
ボド族は、数十年前にバングラデシュからインドに移住してきたベンガル民族で、その多くは英国人によって労働者として連れてこられた。彼らは、最近増えつつあるバングラデシュから違法越境してきたイスラム教徒たちに自分たちの居場所が脅かされることを懸念しており、アッサムに独立国家の建設を目指している。