ミャンマー、メディアの事前検閲を廃止 「自由遠い」の声も
(CNN) ミャンマー情報省は20日、新聞などを発行前に検閲してきた制度を廃止すると発表した。ただ、言論の自由が完全に実現するわけではないとの意見もある。
同省検閲部門の幹部が、ヤンゴンで開いた編集者らとの会合で明らかにした。
地元紙7デーニュースの編集責任者は「報道の自由へ向けての前進」と評価する一方、「検閲部門が依然として存在し、ルール違反がないかどうかを見張っていることに変わりはない」と指摘。事前検閲が廃止されても発行後に内容を提出することが義務付けられるとして、自由には「まだ程遠い状態だ」と述べた。また、新たな法律を制定する過程に報道関係者の関与が認めらなかったことにも不満を表明した。
情報省は同時に、報道すべきでない内容のリストも配布した。この中には「国家や政府を批判する記事」「外国との関係に悪影響を及ぼす可能性のある記事」「汚職や麻薬、強制労働などについて、信頼できる情報源を持たずに伝えるニュース」などが挙げられている。
ジャーナリストによる国際非政府組織(NGO)「国境なき記者団」も「半世紀にわたった言論統制からの歴史的変化」として、制度廃止を歓迎。一方で、検閲部門自体の解体が昨年10月に発表されたのにもかかわらず、実現していないと批判した。
同国ではテインセイン大統領が昨年の就任以来、積極的に民主化を進めている。