米国務長官と中国の習近平国家副主席との会談、急きょ中止
(CNN) アジア諸国歴訪中のクリントン米国務長官が北京で5日に予定していた中国の次期最高指導者候補、習近平(シーチンピン)・国家副主席との会談が中止となった。中国政府当局は、副主席の日程の都合がつかなったと説明している。
米中双方は今回の会談中止について、同副主席は他の外国要人との会見も取りやめており、特定の意味はないとしている。副主席は会談出来なかったクリントン長官に対し書簡を送る考えだという。
長官は副主席の代わりに、李克強(リー・コーチアン)副首相と会談した。同副首相は10年に1度の中国指導部の交代で有力な首相候補とされる。
クリントン氏は4日から中国訪問を始め、同国政府高官との会談を消化してきた。5日には楊潔チー(チーは竹かんむりに褫のつくり、ヤン・チエチー)外相と会い、中国が一部の東南アジア諸国と領有権を争う南シナ海問題などで意見交換した。
長官はこの席で、問題解決のための行動規範作成の共通目標について当事国らに外交プロセスを通じた努力を要請。中国政府は南シナ海主権論争で当事国との2国間協議を通じた問題解決を重視し、多国間協議による決着を模索する米国の介入について警戒を強めている。
楊外相はクリントン長官との会談後の共同記者会見で、南シナ海における航行の自由と安全は保障されていると主張した。長官の訪中について中国のメディアでは敵対的な論調も目立ち、クリントン氏によるアジア外交は中国と一部の周辺国との間の摩擦を煽っているとの論説も掲載された。
訪中を終えた長官は6日に次の訪問国の東ティモールに到着した。米国務長官が10年前にインドネシアから独立した同国を訪れるのは初めて。