シリアで死亡したジャーナリスト山本美香さん パートナーが当時を振り返る
(CNN) 内戦に陥っているシリアを取材中に日本人ジャーナリストの山本美香さんが殺害された事件で、一緒に取材を行っていた独立系通信社ジャパンプレス代表の佐藤和孝さんが当時の様子をCNNに語った。
山本さんは8月、シリア情勢を取材するために同国に入った。山本さんは紛争地を取材するベテラン記者で、過去にはアフガニスタンやイラク、旧ユーゴスラビアでの取材経験もあった。
公私にわたって山本さんのパートナーだったジャパンプレス代表の佐藤さんは、山本さんが銃撃された時、数メートルしか離れていない場所にいた。
山本さんとともに多くの紛争地取材を行ってきた佐藤さんは、山本さんの報道に対する情熱について、「ジャーナリズムは戦争をやめさせることができるという固い信念だったと思う」と語る。
佐藤さんによれば、山本さんは子どもたちにも関心を寄せており、世界に対して、どのように子どもたちが傷つけられ、殺され、心から血を流しているかを伝えたかったのだという。
佐藤さんはまだ彼女の死をうまく処理できていないと言う。そして、彼女の身に何が起きたかを正確に知ることが、心の平安を得る唯一の方法だと語る。
佐藤さんによれば、2人はシリアの反体制派の武装組織「自由シリア軍」に同行してアレッポの町にいた。10~15人の男たちが自分たちの方に向かって歩いてきて「最初は自由シリア軍だと思い、同じ側だったのでカメラを構えて撮影を開始した。その時に(銃撃が)起きた」と佐藤さんは言う。