イラク、国外逃亡中の副大統領に死刑判決
バグダッド(CNN) イラクの裁判所は9日、国外へ逃亡中のハシミ副大統領に対して、女性弁護士と軍司令官の殺害に直接関与した罪などで絞首刑を言い渡した。副大統領には昨年逮捕状が出されていたが、拘束を逃れ被告不在のまま裁判が進められていた。
司法当局の報道官によると、ハシミ副大統領はこの他にも暗殺部隊の指揮など多くの罪に問われていた。副大統領とともに、その義理の息子も死刑判決を受けた。ただし同報道官がCNNに語ったところによると、これは最終審ではなく、上訴も可能だという。
ハシミ副大統領が率いるイスラム教スンニ派中心の会派「イラキーヤ」は、シーア派主導のマリキ政権と対立。昨年末、イラキーヤが議会ボイコットを発表した直後に、副大統領に逮捕状が出された。北部クルド自治区へ逃れた副大統領は、サウジアラビアやカタールを経て、現在はトルコ政府の招きで首都イスタンブールに滞在している。
今年5月には、国際刑事警察機構(ICPO)がイラク当局の要請を受け、テロ攻撃を指示、支援した疑いでハシミ副大統領を国際指名手配した。副大統領は「これはそもそも政治的な裁判で、罪状が事実とかけ離れたでっち上げであることは周知の事実だ」と主張していた。イラキーヤの議員らも、裁判は被告不在で進められ、公正でなかったと非難している。