習近平副主席、10日間姿見せず 世代交代をめぐる憶測も
(CNN) 中国の次期最高指導者と見られている習近平(シーチンピン)国家副主席(59)が、公の場に姿を見せなくなってから10日がたった。原因についてはさまざまな説が飛び交い、中国共産党指導部の世代交代をめぐる憶測に結びついている。
通常なら指導部の動きを逐一伝える同国の国営メディアは過去10日間、習氏の動静を伝えていない。習氏は来月、中国共産党の党大会で胡錦濤(フーチンタオ)総書記(国家主席)の後任に選ばれ、来年初めには国家主席に就任する見通しとされる。
そうしたタイミングの中で、習氏は9月5日、訪中したクリントン米国務長官との会談予定を突然キャンセルした。さらにシンガポール首相など外国要人との会談も相次いで中止になった。
米当局者によれば、会談中止の理由について中国からは「日程が合わなかった」との説明を受けたという。中国当局者は詳しい説明を避けている。
香港の日刊紙「大公報」は習氏が10日にデンマーク首相と会談する予定だと伝えたが、CNNが中国外務省に問い合わせたところ、「我々のウェブサイトに掲載されていない行事は非公開だ」との返答だった。10日が過ぎても習氏の動静は伝えられず、インターネットでは自動車事故説から暗殺未遂説に至るまで、裏付けのない憶測に火が付いている。
一方、専門家やメディアからは、背中の負傷や軽度の脳卒中などの健康問題が原因との見方が出ている。中国の当局者はこれまでのところ沈黙を保っており、外務省報道官は数日間連続でこの問題に関する質問をかわした。