トルコ領内にシリアから砲弾、5人死亡 トルコが報復攻撃
今回の事態を受けて北大西洋条約機構(NATO)加盟国の最高意思決定機関、北大西洋理事会は緊急理事会を開き、「シリア政府に対し、国際法に違反する行為の停止を求める」と述べた。
国連報道官によれば、トルコ外相は国連の潘基文(パンギムン)事務総長に電話で「深い憂慮の念」を伝えてきた。同国からは3日にシリアの目標を砲撃する前に、NATOと国連に連絡があったという。
潘事務総長は「シリアからの砲撃がトルコの町に着弾した今回の事態は、シリアの内戦がシリア国民の安全を脅かすにとどまらず、近隣国の被害の拡大も招いていることを改めて示すものだ」との声明を発表し、シリアに対して隣国の領土の保全を尊重するよう求めた。
国連安全保障理事会は、この問題について非公開の協議を行った。
米国防総省高官は、ある程度の懸念を持って事態を見守っているとしながらも、「現時点で国境の衝突が激化する兆候はない」との見方を示し、両国とも衝突の激化は望んでいないと指摘。「そのような衝突が起きれば、トルコの方がシリアよりも失うものは多い。トルコは既に、シリアからの難民問題を抱えており、衝突によって事態はさらに悪化する」「シリアも今現在、多くの問題を抱えているため、政府はこれ以上問題が増えることを望んでいない」と分析している。