ナイジェリアで30人が銃殺 人権団体が指摘
ラゴス(CNN) ナイジェリア北部で30人以上が銃殺される事件が発生した。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが2日に明らかにした。
アムネスティのサリル・シェティ事務局長は「われわれの情報網に確認したところ、今回の処刑で30人以上が殺害され、遺体安置所で犠牲者の遺体が発見された」と語った。目撃者によると、統合部隊(JTF)の治安部隊が処刑を行ったという。
事件が発生したのは、ナイジェリア北東部ボルノ州の町マイドゥグリ。イスラム教徒が多数を占めるナイジェリア北部では、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が、より厳格なイスラム法(シャリア)の適用を目指しており、これまでも暴力事件が相次いでいた。
そのため、ナイジェリア政府軍はボコ・ハラムなどの過激派組織の取り締まりを行っているが、アムネスティは1日に発表した報告書の中で、政府の治安部隊が取り締まりの過程で、罪状も裁判もない恣意的な拘束、司法手続きを経ない処刑、強制的失踪などの重大な人権侵害を行っていると指摘したばかりだった。
ボコ・ハラムは3年以上前から、キリスト教会を爆破するなどの暴力運動を展開し、多くの死傷者を出した。
ナイジェリアでは、キリスト教徒とイスラム教徒が拮抗しているが、南部はキリスト教徒が圧倒的に多い。ボコ・ハラムなどのイスラム組織は、イスラム教徒の多い北部はキリスト教徒であるグッドラック・ジョナサン大統領に軽視され、さまざまな資源が不足していると主張している。