イラン、米無人機への攻撃認める 領空侵犯で断固な対応強調
(CNN) イラン軍の戦闘機がペルシャ湾で今月1日、米国の無人偵察機に発砲した事件で、イラン軍の司令官は10日までに、無人機がイラン領空を侵犯したため断固な措置を取ったと述べた。
イランの当局者が攻撃を認めたのは初めてとみられる。イラン学生通信によると、アーマド・バヒディ少将は、無人機による領空侵犯を受け、イランは適切な国際機関などを通じこの問題を追及すると述べた。
事件を受け米国はイランで米国の利益代表部を務めるスイスを通じイラン側に正式に抗議していた。米国とイランは首都テヘランで起きた米大使館占拠事件などをきっかけに1980年に国交を断絶していた。
米国防総省のリトル報道官は攻撃に対し戦争行為など踏み込んだ発言は見せなかったが、中東地域での米国の権益と部隊を守るための広範な選択肢を保持しているとし、必要なら実行すると指摘した。攻撃はクウェート東方の、イラン沿岸部からは約26キロ離れた公海上空で発生。発砲したのはロシア製スホイ戦闘機2機だった。イラン領空に入った事実は決してないとも主張した。
無人機は被弾せず、自力で基地に帰還していた。同報道官は米国がペルシャ湾上空でこれまでの慣例に従い地域の安全確保を目指す偵察飛行を続行することはイラン側に通告していたとも語った。
複数のオバマ政権高官によると、戦闘機はイラン指導部の親衛隊的な性格を持つ精鋭部隊「革命防衛隊」に所属。革命防衛隊は対米政策で正規軍より強硬的とされる。
スホイ戦闘機は無人機「プレデター」に対し少なくとも2回の機銃攻撃を仕掛けた。無人機は針路を変えたが、戦闘機は一時追跡したという。