伊のベルルスコーニ前首相、総選挙に出馬 引退宣言を撤回
ローマ(CNN) 政界からの引退を一時表明していたイタリアのベルルスコーニ前首相(76)は8日、次期総選挙に出馬し首相の座を新たに目指すと表明した。自らのウェブサイトや交流サイト「フェイスブック」で述べた。
ベルルスコーニ氏はこの中で、自ら率いる中道右派の政党連合「自由の国民」は新たな指導者を探したが見出せなかったと主張。「絶望感もあるが、責任を感じて政治に戻る」とし、勝利を目指して総選挙に立候補すると強調した。
総選挙は来年3月から6月の間に予想されている。ベルルスコーニ氏の奔放な言動や発言の撤回は有名で、政界からの引退表明についてもその真意をいぶかる見方がくすぶっていた。
同氏は昨年11月、金融危機を受けて首相を辞任。この後、民間出身のモンティ首相が緊縮政策を掲げ、危機克服に努めていた。ただ、イタリアのナポリターノ大統領は8日、モンティ首相との会談後の声明で、首相は国家予算と財政安定化を図る法案が成立後、辞任する考えを示したと発表していた。「自由の国民」幹部は最近、モンティ氏の責務は終わったと述べていた。
イタリア有数の富豪でもあるベルルスコーニ氏は裁判で多数の係争を抱えていることでも有名で、今年10月には脱税で禁錮4年の有罪判決を受けていた。しかし、同国の司法制度では被告のベルルスコーニ氏らには2回の上訴が認められ、事件の時効が来年成立するため、被告ら全員が服役を免れる可能性がある。
ベルルスコーニ氏はまた、未成年少女の買春の罪でも起訴されている。