北朝鮮の衛星打ち上げ予告、不穏な国内情勢が誘因 韓国高官
ソウル(CNN) 北朝鮮が今月10~22日の間に予告した衛星搭載と称する事実上の長距離弾道ミサイル発射の問題で、韓国政府高官は7日、発射は北朝鮮内の不安定な情勢が誘因になっているとの見方を示した。
国内の政治的、実利的な不安材料が打ち上げ実行の大きな背景要因になっていると指摘。最高指導者の金正恩(キムジョンウン)第1書記は発射を成功させることで国内の権力固めの強化を狙っていると分析した。
同高官は、第1書記が最近の声明で、「反乱」など異例の表現や字句を用いていることに注目。これらの表現は北朝鮮の現状に不満を持つ不純分子の存在や反乱を示唆している可能性があるとも述べた。
第1書記は北朝鮮の警察要員を外国に派遣し、暴動鎮圧の訓練を受けさせているともし、金氏の身辺警護が強化されたことも明らかにした。
北朝鮮では最近、軍幹部や閣僚の交代が伝えられたが、第1書記は治安当局に対しこの人事に反発する勢力の一掃を命じたともされる。韓国政府高官は、この粛正は大規模でなお進行中であるとも述べた。これらの情報の出所については触れなかった。
北朝鮮が予告した人工衛星打ち上げについて、欧米諸国などは弾道ミサイル技術を試験するための言い訳と主張。国連安全保障理事会は北朝鮮に対し弾道ミサイル技術を用いた全ての発射停止を求める制裁決議を突き付けている。
同国は今年4月、衛星打ち上げと称して長距離弾道ミサイルを発射したが失敗した。北朝鮮が年に2回、衛星打ち上げを試みるのは異例。今回の発射と、第1書記の父親である金正日(キムジョンイル)総書記の一周忌を今月17日に迎えることを関連付ける見方もある。