マリ暫定首相、国軍兵に拘束された直後に辞任表明
(CNN) 西アフリカ・マリのシェイク・モディボ・ディアラ暫定首相が11日、国営テレビで突然辞任を表明した。暫定首相はこの前日、国軍兵によって自宅から連行され、身柄を拘束されていた。
マリでは3月に反乱軍のクーデターが発生し、イスラム武装勢力が台頭するなど政情不安が強まっている。
当局者によると、ディアラ暫定首相は10日に療養のためパリに向かう予定だったが、同日午後11時ごろ、武装した兵士がトラック3台で自宅に乗り付け、軍の本部に連行された。同本部では、3月のクーデターを主導したアマドゥ・サノゴ大尉に会ったという。
テレビ局関係者の話では、ディアラ暫定首相は11日午前1時ごろ、武装した兵士に放送局に連れて来られ、兵士が声明文を渡した。「(首相が読むのを)強要されていたかどうかはわからない」と関係者は語る。
ディアラ氏は「マリは歴史上最も困難な時期を経験している。何が起こるかわからない不安の中で、国民は自分たちが不幸な状況に置かれていると知っている。それが私が今日辞任する理由だ」と語った。
ディアラ氏の現在の居場所は不明だが、側近によると、まだ首都バマコにいると思われる。拘束された時点で負傷はしていなかったという。
陸軍の報道官は、ディアラ氏を拘束したのはサノゴ大尉の一派で、軍当局者の大部分は拘束について知らされておらず、現在の状況も不明だと話している。
同国は3月のクーデターで大統領が辞任し、独立運動を続けてきたトゥアレグ族の武装集団が政情不安に乗じて北部の一部を制圧。トゥアレグ族と、北部地域の3分の2を制圧している国際テロ組織アルカイダ系勢力との間で抗争も起きている。