インド集団強姦事件、被害者女性が病院で死亡
(CNN) インドの首都ニューデリーで起きた集団暴行事件で重体となり、シンガポールで治療を受けていた被害者の女性(23)が29日未明、死亡した。
担当医によると、女性は事件で体や頭部に重傷を負い、臓器不全を起こしていた。27日にインドからシンガポールの病院へ移った後も重篤な症状が続き、28日にはさらに容体悪化が伝えられていた。家族やインド当局者らが見守る中、静かに息を引き取ったという。担当医は「彼女は勇敢に闘ったが、体に負った傷が非常に重く、克服することができなかった」と述べた。
女性の名前は公表されていない。インド政府の対応に抗議する活動家らの間では、ヒンディー語で稲妻を意味する「ダミニ」と呼ばれていた。1993年のインド映画で、家政婦への性的暴行を扱った同名の作品もある。
事件は今月16日、走行中のバスの中で発生した。犯行グループは女性と同行していた男性を襲って持ち物を奪い、2人を車外へ放り出した。これまでにバス運転手や未成年者を含む6人が拘束されている。男性も病院に収容されたがすでに退院した。
ニューデリーではこの事件をきっかけに、強姦事件への警察や政府の対応が不十分だとする大規模な抗議デモが展開されている。
北部パンジャブ州では先月、17歳の少女がヒンドゥー教の祭典で集団暴行を受ける事件があったが、警察は2週間後になって事件を登録した。地元警察責任者によると、被害者の少女は26日に服毒自殺した。遺書には犯人らを非難する言葉が書かれていたという。同事件では、女性の共犯者を含む3人が拘束されている。