山火事で100棟以上焼失、犠牲者の可能性も 豪タスマニア州
(CNN) オーストラリア南部のタスマニア州で大規模な山火事があり、7日までに住宅100棟以上が焼失した。山火事は現在も延焼中。これまでに死傷者は確認されていないが、警察は犠牲者が出た可能性もあるとして、特に火災のひどかった地域を中心に捜索を続けている。
火災は同州南東部で先週発生し、4日にはダナリー地区で住宅約65棟と小学校が焼失。近隣のブーマーベイなどでも住宅などが損壊した。現地に通じる道路は火災のため通行できなくなり、住民は海路と空路で被災地を脱出した。
避難してきた女性はCNNの系列局ネットワーク10の取材に対し、火は瞬く間に自分の住む地区に燃え広がったと話し、「炎と灰が迫って来るのが見えた」と恐怖を語った。自宅がどうなったかは分からないという。住民は着の身着のままで避難所などに身を寄せた。
タスマニア州消防局は6日夜、山火事はさらに、オーストラリアの固有種タスマニアデビルの保護区がある近隣地区にも延焼する恐れがあるとして警戒を促し、避難路が確保できる住民は避難するよう呼びかけた。8日までには延焼を食い止めたい意向だが、火災の起きているタスマン半島は入り組んだ地形のため消防車が入りにくく、消火活動が難航している。