シリア大統領が演説へ 反体制派、空爆拠点の基地攻略間近か
(CNN) 内戦が続くシリアの国営メディアは6日、アサド大統領が同日、最近の国内や地域情勢に関する演説を行うと伝えた。演説の詳しい内容は明らかでないが、内戦が始まって以降、同大統領が演説するのは異例。
一方、反体制派の武装組織は北西部イドリブ県での攻防で、反体制派が政府軍のタフタナズ空軍基地の大半を攻略するなどの戦果を収めたと主張した。基地を占拠すればアサド政権軍が優位に立つ空軍力を削ぐことになる。同基地への攻撃は4日目に入り、反体制派の戦闘員800人が対空砲や戦車を投入して攻撃、基地の7割を掌握したとしている。
基地には政府軍の兵士数十人と狙撃兵約30人が依然残って抵抗しているが、掃討は間近いとも述べた。
反体制派「地域調整委員会」によると、政府軍は同基地を周辺の町の反体制派勢力へのヘリコプター攻撃の出撃拠点として主に使っている。政府軍の戦闘機はタフタナズ基地にクラスター(集束)爆弾を投下、複数の建物を破壊しているという。同爆弾は、1発の爆弾が空中から多数の子爆弾をまき散らす兵器で殺傷能力が高い。
首都ダマスカスの反体制派武装勢力の指導者は、反体制派や民兵組織は政府軍戦闘機による空爆能力を最小化するためイドリブ県内の軍基地を標的にした攻撃を強めると述べた。タフタナズ基地への攻撃には、米国がテロ組織として指定したイスラム過激派「ヌスラ戦線」も加わっているという。
政権軍はダマスカスの南部郊外で過去数週間、食料や医薬品の供給を断ち切る措置に出ているとも述べた。注射器などの医薬品を運んでいる住民を見付けた場合、屋外で処刑しているとも語った。
地域調整委員会によると、シリア全土での戦闘などによる死者は5日だけで少なくとも79人。ダマスカス内外で35人、イドリブで18人などとなっている。国連はシリア内戦による死亡者はこれまで6万人を超したと報告している。