シリア内戦の死者数は6万人超 国連調査
(CNN) 国連は2日、シリア内戦による死者数が推計で6万人を突破したと発表した。
ピレイ国連人権高等弁務官は、「極めて衝撃的な数字で、恥ずべきことだ」と述べ、何ら有効な手を打てない国際社会を批判した。また「紛争を早急に解決しなければ」死者はさらに増えると指摘。死者数は予想を上回っていると語った。
シリア政府に対しては「当初は武器を持たない市民が平和的、合法的に行っていた抗議行動をシリア政府が武力で鎮圧しなければ、ここまで多くの死者は出なかった」と痛烈に批判した。
またピレイ高等弁務官は、実際の死者数は6万人を上回っている可能性が高いと指摘。「紛争がシリア全土に広がっているため、正確かつ信頼できるデータの収集が一層困難になっている」と述べた。
ピレイ氏によると、1カ月当たりの死者数は2011年夏には1000人だったが、7月から5000人以上に増加したという。特に死者が多いのは、ホムス、ダマスカス郊外、イドリブ、アレッポ、ダルアー、ハマーで、犠牲者の4分の3以上は男性、7.5%が女性だという。
国連以外にも複数の反政府組織が内戦による死者数を発表してきたが、数字はまちまちだ。シリア人権監視団は2011年3月以来の死者数は4万6000人以上としている。
ピレイ氏によると、国連の専門家の集計では、2011年3月から12年11月までにシリアで殺害された人数は5万9648人で、12月にも毎日多数の死亡が報告されたという。