サウジの国政助言機関に女性を初めて任命、30人 国王勅令
(CNN) サウジアラビアのアブドラ国王は11日、国政の助言機関である諮問評議会(定数150)に女性の起用を初めて決め、30人を任命した。国営サウジ通信(SPA)が伝えた。
国王の勅令では評議会議員の少なくとも20%は女性と定められた。また、評議会議員の任期は、現任期が終了した後の4年間とした。女性議員はイスラム法(シャリア)の原則を守り、イスラム教徒女性に特有の衣装ベール(ヒジャブ)を着用しなければならないとしている。
ただ、諮問評議会に参加する際の女性の場所は別途設けられ、出入り用の特別の出口も指定する。評議会内の事務所も異なる区画に設けられ、礼拝も別々に行うとしている。
SPAによると、勅令は高位聖職者評議会のメンバーらと協議後に発令された。
今回の勅令について、サウジの著名な女性権利保護の活動家は前進の1歩と評価。その上で、一般女性の就業や職確保、教育の機会拡大には直ちに影響しないとし、女性は車の運転の権利を依然認められていないことから女性の評議会議員は自ら運転して評議会会場に向かうことは出来ないと述べた。
イスラム教の戒律が厳しいサウジでは社会における女性の役割には大きな制約がある。女性の車運転を禁じる法律はないが、宗教勅令に基づき禁止事項と受け止められている。女性の銀行口座の開設や旅券取得、男性の保護者なしでの学校への通学を禁じる勅令もある。
ただ、2005年に就任したアブドラ国王は一定の改革を進め、09年には省で初の女性次官を任命した。11年には、15年に予定される地方選挙で女性の立候補や投票を容認する決定を下していた。