イラン大統領に靴の「歓迎」 30年ぶりのエジプト訪問で
カイロ(CNN) イランのアフマディネジャド大統領が訪問先のエジプトで、靴を投げつけられる事件があった。イスラム社会で靴を投げるのは、相手を強く侮辱する行為。イランの大統領がエジプトを訪問するのは約30年ぶりだった。
トルコのアナドル通信は、エジプトの首都カイロで支持者に囲まれてにこやかに握手を交わしていたアフマディネジャド大統領に対し、男が靴を投げつける映像を公開した。エジプトの検察によれば、靴を投げた男は数人いたという。
男のうち1人は、「おまえは私たちの兄弟を殺した」と叫んでいた。アナドル通信は、この男が投げた靴は警備員に当たったと伝えている。
検察は、この事件にかかわったとしてイスラム教スンニ派のサラフィ主義の男4人を拘束した。4人は500エジプトポンド(約7000円)を払って保釈されている。
サラフィ主義はスンニ派の教えに従い、シーア派がエジプトで政治活動を行うことに反対している。イランに対しては、スンニ派が多数を占めるエジプトで、シーア派に資金を供給してシーア派の教えを広めていると非難していた。
アフマディネジャド大統領はカイロでスンニ派の最高権威機関アズハルを訪問したほか、シーア派にゆかりの深い歴史的建造物のアルフセイン・モスクを訪れたと伝えられている。