ベネディクト16世、退位後は「名誉法王」に 枢機卿がローマ入り
ローマ(CNN) ローマ法王庁(バチカン)は26日、ローマ法王ベネディクト16世(85)の退位後の肩書きが「名誉法王」になると発表した。一方、次期法王の選出に向け、ローマには既に枢機卿が集まっている。
ベネディクト16世は28日で退位する。ローマ法王庁の報道官によると、ベネディクト16世の名は退位後も使用し、「聖下」という敬称も変更しない。
27日に予定されている最後の一般謁見では、入場券5万枚が配布された。さらに多くの信者が詰めかける可能性もある。ベネディクト16世は「ポープモービル」と呼ばれる専用車でサンピエトロ広場を巡った後、信者の前で演説する。
最終日の28日は午前中に枢機卿との会議を済ませた後、午後にヘリコプターで、ローマ近郊のカステル・ガンドルフォにある別荘に向かう。教会の鐘が鳴らされ、ベネディクト16世は最後にもう1度、バルコニーに姿を見せて信者らに別れを告げる。
公務終了時刻の同日午後8時、法王の警護に当たってきたスイス衛兵はカステル・ガンドルフォを離れ、バチカン警察と交代する。
ベネディクト16世は、バチカンにある修道院の修復がこの春の終わりごろに完了するまで別荘に滞在する。
赤いマントは白い聖職者用の平服に着替え、赤い靴に代わって、昨年のメキシコ訪問時に贈られた茶色の靴を履く見通し。法王の象徴の「漁師の指輪」は、法王の紋章とともに破壊される。
一方、報道官によれば、枢機卿の総会が3月1日に招集され、次期法王を選出する「コンクラーベ」の日程を決める協議に入る。コンクラーベの日程は未定。