国民がチャベス氏の棺を涙で見送り ベネズエラ
(CNN) 5日に死去したベネズエラのチャベス大統領の遺体は6日午前、首都カラカス市内の病院を出て、陸軍士官学校に移送された。沿道には大勢の支持者が詰めかけてチャベス氏を見送った。
チャベス大統領の遺体は簡素な木製の棺(ひつぎ)に納められ、国旗で覆われて霊柩(れいきゅう)車で士官学校に向かった。沿道は警備に当たる兵士と、シンボルの赤い服を着た支持者で埋め尽くされ、棺が前を通ると涙をぬぐう人や、携帯電話で写真を撮る人もいた。
国内各地でも支持者が広場に集まり、チャベス氏の死をいたんだ。出身地バリナス州サバネタの高齢の女性は「大統領の命を奪うなら、私の命を奪ってください。彼は私たちを助けてくれた唯一の大統領です」と嘆き悲しんだ。
国葬は8日に営まれる予定で、既にウルグアイのムヒカ大統領、アルゼンチンのフェルナンデス大統領、ボリビアのモラレス大統領など各国首脳が到着している。
国連安全保障理事会はチャベス氏の死去を受け、1分間の黙とうをささげた。
政府は7日間の服喪を宣言し、学校は今週いっぱい休校となった。治安を保つ目的で、市内には武装した兵士が配備された。
大統領選は30日以内に実施される予定。与野党ともまだ正式な候補擁立には至っていないものの、野党は昨年10月の大統領選でチャベス氏に敗れたエンリケ・カプリレス氏、与党はマドゥロ副大統領の出馬が予想される。