シリア反体制派の集団、ゴラン高原で国連要員21人拘束
(CNN) 内戦が続くシリアで6日、国連の平和維持要員21人が反体制派の集団に拘束された。国連は解放を要求しているが、集団側はアサド政権軍の撤退を条件に掲げ、要求を拒んでいる。
平和維持要員は、イスラエルが占領するゴラン高原近くの村で、反体制派の約30人の集団に拘束された。同地域では数日前から反体制派と政府軍の戦闘が激化しており、反体制派は、平和維持要員が入ってはならない場所に入り、アサド政権側に手を貸そうとしていた疑いがあると主張している。
国連は拘束された要員について、「通常の補給活動」を行っていたと説明。状況の把握と事態解決に向けて要員を派遣したことを明らかにした。
動画投稿サイトのユーチューブには、要員解放の条件として、「米国、国連、安全保障理事会が介入してアサド軍を撤退させるよう求める」とする動画が掲載された。さらに別の動画では、「国連軍は政権に手を貸すため村に入り、衝突を止めるのが目的だったと主張している」と訴えた。
反体制派は交流サイトのフェイスブックにも、国連の潘基文(パンギムン)務総長らに宛てた公開書簡を掲載。
シリアで起きている国民の虐殺を、世界はただ傍観していると非難したうえで、「これは最後通告になるかもしれない」「神と人民の前に国際社会が責任を果たすことを求める」と要求した。書簡には、反体制派を束ねるシリア国民評議会(SNC)のアフマド・モアズ・ハティブ代表の署名が入っている。