最も重要な資源は水? 「水戦争」は起こるのか
問題の一つは、世界の需要が変化していることだ。人口爆発を考えてほしい。1975年には40億人だった人口は、現在70億人に拡大した。国連の予測では2050年までに90億人に達するという。
インドや中国、アフリカ諸国では中間層が何百万人と増えており、あらゆる食料や製品に対する需要が世界的に増加している。そうした製品にはコストがかかるが、水に関しては豊富で無料だと別枠で考えたがる傾向がある。
しかし、水は最も懸念する必要がある資源だ。世界保健機関(WHO)によれば、7億8000万人以上の人々がきれいな水を手に入れられずにいる。そして、水不足によって300万人を超える人々が毎年死んでいる。需要が高まれば、水不足も拡大するだろう。
できることは何だろうか。水の大部分は実際のところ、浪費されている。米国は水を最も浪費している国の一つだ。シンガポールは既に、下水を飲むことの出来る上水へと再利用するための取り組みを進めている。大規模な海水淡水化を考慮する必要もあるだろう。
思い出さなければならないのは、消費される水の最大70%は農業で使われているということだ。より効率的な農作物についての基礎研究も必要だ。インドのある村では先ごろ、1ヘクタール当たりのコメの収穫量が世界最高を記録したと報じられた。どうやったのか。ただ苗を植える時期を変更したのだという。その結果、水の使用も抑えられた。
もしかしたら、最も単純で効果的なやり方は、水にある種の価格を設定することかもしれない。そうすれば、もっと効率的に、注意を払って使うようになるだろう。
毎年3月22日は「世界水の日」だ。世界の最も重要な資源を規制するための地球規模での取り組みについて考えをめぐらすのに良い時期だろう。