中国も北朝鮮を見限るのか 「永遠の友」から「不釣合いなカップル」へ
中国の米国との関係は緊張することもあるが、毛沢東時代とは異なり、重要な貿易パートナーであり、様々な分野で結びつき、共通する利害も少なくない。
中国はまた、貿易拡大などにより韓国とも良好かつ深い関係を結んでおり、2010年の韓国海軍哨戒艦「天安」の撃沈や韓国北西部の大延坪島(テヨンピョンド)への砲撃のような北朝鮮による韓国人殺害は、韓国との関係悪化にもつながる挑発行為であり見過ごせなくなっている。
中国は、国際社会における地位にも無関心ではいられない大国となった。周辺国を攻撃し自国民を虐待する北朝鮮の残虐な政権を支持することは、中国自身の人権問題にも注意を引くこととなり、そのソフトパワーにもマイナスの影響を及ぼすのである。
北朝鮮崩壊は朝鮮半島の不安定化をもたらす可能性があるため、中国は、北朝鮮を保護し続けるのかもしれない。しかし、両国の利害の乖離(かいり)がますます広がっているため、中国の北朝鮮に対する不満は高まるだけなのだろう。
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本記事は、ダートマス大学のジェニファー・リンド准教授(政治学)よるものです。