中国も北朝鮮を見限るのか 「永遠の友」から「不釣合いなカップル」へ
さらに、北朝鮮の存在は、米軍が台湾の防衛に集中することを妨げており望ましいとの声も中国ではよく聞かれる。
常に厄介な北朝鮮でも、無くなれば中国は非常に困るのである。
しかしながら、故毛沢東(マオツートン)主席が「唇と歯のように近い関係」とまで表現したような中朝関係はもはや存在しない。学者などが北朝鮮への不満を公言することが増えており、中国漁民拉致の際には、インタ-ネット上に怒りの声が溢れた。最近では、中国政府への政策提言機関である中国人民政治協商会議においても、北朝鮮との関係を維持すべきか見捨てるべきかといった議論が公になされている。
中朝関係は、永遠の友から不釣合いなカップルへと変化してしまった。同盟関係を結んだ当時は、ともに非友好的で孤立した弱小貧困国であり、冷戦時代の米国と同盟国にとっての封じ込め対象であった。
北朝鮮はそこから変化していないが、中国は40年間にわたる目覚しい経済改革・発展の結果、豊かな大国へと急速な変貌を遂げた。
中国は世界各地で様々な利害関係を持ち、安定の維持がその発展にも重要となっている。