医師が患者殺害、病院のベッド空けるため ブラジル
(CNN) ブラジル南東部のクリティバで、医師が病院のベッドを空けるために患者7人を殺害したとして訴追され、27日に裁判所に出廷した。
当局によると、ビルジニア・エレナ・ソアレス・デソウサ容疑者は2006年から13年にかけ、集中治療室(ICU)に勤務する部下の医師らに命じて患者に麻酔薬と鎮静剤、鎮痛剤を投与して殺害したとされる。さらに患者の酸素濃度を操作して窒息死させた疑いも持たれている。
この事件ではデソウサ容疑者のほかに医療従事者7人が訴追された。
警察は、デソウサ容疑者がICUのベッドを空けて、患者が生じさせる「混乱」を解消する目的で殺害したとみている。検察は、同容疑者が本人と家族の意思に反して患者を殺害した点に違法性があると判断した。ブラジルでは法律で安楽死が禁止されている。
デソウサ容疑者は2月に逮捕され、公判までの間、一時的に釈放された。勾留を免れる条件として、月に1度、裁判所に出廷を命じられており、27日もこの命令に従って出廷した。
厚生省の指示で事件の調査に当たっている医師によれば、被害者の数はさらに多い可能性もある。現在、患者1700人以上のカルテを調べるとともに、医師から聞き取り調査を行っている。
調べに対してデソウサ容疑者は容疑を否認している。弁護士は、同容疑者の指示が正しかったことは医学文献で証明できると話している。