武装集団が司法省占拠、首都で武力デモ激化 リビア
リビア・トリポリ(CNN) リビアの首都トリポリで30日、武装集団が司法省の建物を占拠し、職員などを退去させた。司法相が明らかにした。
武装集団は戦闘服を着た20~30人の男で構成され、トラックに対空砲を積んで司法省を占拠した。司法相は説得を試みた後に退去したという。
同集団は国民議会に対し、カダフィ政権時代の当局者が政府の要職に就くことを禁じる法案を通過させるよう要求している。同法案をめぐっては、もし成立すれば現政権の高官も辞職を迫られることから、議会で数カ月にわたって論議が続いていた。
一方、人権団体などは、武装集団が依然としてリビアの未来を脅かし続けているとして、当局に対し、こうした集団の取り締まりを強化するよう求めている。
トリポリではここ数カ月で武装集団による抗議活動が激化しており、デモ隊が政府の建物を包囲したり、議会になだれ込んで審議を中断させるなどの事態に発展していた。
3月には武装集団が国民議会を数時間にわたって包囲し、法案の通過を迫った。議長の乗った車も銃撃されたが、議長は無事だった。
リビアではカダフィ政権の崩壊から1年半が過ぎた今も治安が安定せず、大量の武器が流通し、政府が武装集団の取り締まりに苦慮する状況が続いている。