「シリアが化学兵器」、イスラエル軍幹部が言明 サリンか
(CNN) 内戦が続くシリア情勢について、イスラエル軍情報調査分析部門のトップは24日までに、シリア軍が「地対地ミサイル、ロケット、化学兵器」の利用を増やしていると断言した。ただし直接的な証拠は示していない。
イスラエル軍の記録によると、情報調査分析部門トップのブルン氏は、猛毒のサリンが使われている公算が最も大きいと述べ、ほかにも非致死性の化学兵器などが使われているとした。具体的には3月19日の事例を挙げ、「被害者は瞳孔が萎縮したり口から泡を吹いたりするなど、化学兵器が使われたことを示す症状を呈していた」と語った。
さらに「我々の専門家の見解では、(シリア)政権は過去数カ月で何度も武装した反体制派に対して化学兵器を使用してきた」と述べている。
化学兵器をめぐってオバマ米大統領は先に、もしシリア政権が国民に対して化学兵器を使用すれば、米国などのシリアに対する対応は一変すると警告していた。
米国務省のケリー長官は23日、「現時点の情報では、それが事実だと言い切れる確信はない」と述べ、米国として化学兵器が使用されたと確証するには至っていないことを明らかにした。ケリー長官と電話で話したイスラエルのネタニヤフ首相も、化学兵器の使用が確認されたとの見方は示さなかった。
ロシアのラブロフ外相は同日、早急に結論を出すべきではないとの見解を示し、米国は過去にイラクのフセイン政権が大量破壊兵器を保有しているとの情報に基づいてイラクに進攻するに至ったと牽制(けんせい)。各国が「この問題を政治利用している」と批判した。