若年婚の風習に抗議、11歳少女の「反乱」 イエメン
サヌア(CNN) 「私を嫁がせたら、あなたたちは幸せになれるの?」――挑むような視線をカメラに向けて、ナーダ・アハダルさん(11)は問い掛ける。両親の強制する結婚に抵抗し、イエメンの農村部から首都サヌアへ逃げてきたという。
動画共有サイト「ユーチューブ」に掲載された約2分半のビデオで、ナーダさんは「両親がお金と引き換えに私を結婚させようとしている」「従うくらいなら死んだほうがましです」と訴えた。ビデオの閲覧者は世界で数百万人に上り、同国に残る若年婚の風習が改めて批判にさらされるきっかけとなった。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、イエメンでは女性の半数以上が18歳未満で結婚する。08年には10歳の少女が離婚訴訟を起こして注目を集めた。離婚は認められ、少女は若年婚の問題に取り組む運動のシンボルとなった。
国会では09年、結婚の最低年齢を17歳と定める法案が可決された。しかし保守派議員らが、結婚年齢を制限することはイスラム法に反すると強く反発し、結局成立には至らなかった。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの活動家は「子どものうちに結婚を強制された少女たちは学校をやめさせられて教育の機会を失う。低年齢で出産を繰り返した結果、体に慢性的な問題を抱えることになる女性も多い」と指摘する。同国には「8歳の娘を妻にすればいい、確実に処女だから」という言い習わしもあるという。