インドの列車事故、死者28人に 現場混乱で救助難航
ニューデリー(CNN) インド東部ビハール州の当局者によると、同州のダマラ駅で下車した乗客に急行列車が突っ込んだ事故による死者は少なくとも28人、負傷者は8人に上った。巡礼に向かうヒンズー教徒が多数を占めるという。
地元当局幹部の話によると、事故が起きたのは19日午前9時15分ごろ。乗客らが列車から降りて線路上を歩いていたところへ、通過する急行列車が突っ込んだ。警察責任者は「遺体の損傷が激しいため、現時点で正確な死者数を出すのは難しい」と述べた。
事故の後、居合わせた群衆が怒って急行列車に火を付け、運転士を殴るなどして重傷を負わせた。運転士は病院に運ばれ、手当てを受けている。
鉄道当局責任者は記者会見で「救助活動が先決だ」と述べ、責任問題への言及を避けた。しかし派遣された緊急列車は事故後の混乱のため現場へ近づけず、離れた場所で待機しているという。
ヒンズー暦ではこの時期が神聖な月とされ、多くの信者が聖地を巡礼する。インドのシン首相は「巡礼者の命が失われたことに深い悲しみと衝撃を覚えている」と述べたうえで、救助活動が滞りなく進むよう協力を呼び掛けた。
同国では踏切や駅の施設の不備から、毎年約1万5000人が線路を渡ろうとしてはねられ、死亡している。