シリア化学兵器問題 国連調査団が報告書を提出
(CNN) シリアの首都ダマスカス郊外で先月、化学兵器が使用された疑いなどを検証していた国連調査団が15日、潘基文(パンギムン)事務総長に報告書を提出した。
潘事務総長は16日朝の安全保障理事会の非公開会合で、報告書の内容を説明。複数の外交官がCNNに語ったところによると、報告書はこの時点で一般公開される可能性が高い。
シリアの化学兵器を巡っては、米国とロシアが14日、完全廃棄に向けた枠組みで合意に達し、安保理決議案の採択を目指している。
これに賛同するフランスのオランド大統領によると、今週末までの採決を目標に、ファビウス仏外相が16日にもパリでケリー米国務長官、ヘイグ英外相と会談。さらにロシアへ出向いてラブロフ外相とも会う見通しだ。
米ロが合意した枠組みには、国連安保理常任理事国のうち残る1カ国、中国も「平和的解決の道」として歓迎する立場を示している。
ロシアの国営RIAノーボスチ通信によると、シリア・アサド政権のハイダル国民和解担当相はこの枠組みを「シリアの勝利」と位置付け、ロシアの外交努力により米国の軍事介入を回避できたとして感謝の意を示した。
シリアが化学兵器廃棄の手順に従わなかった場合について、国連憲章第7章に基づく武力行使の可能性を決議案に明記するかどうかは流動的とされ、安保理での採決は18日以降になるとみられる。