シリア安保理決議案、米仏と露が平行線 武力行使巡り
報告書はシリア政権と反体制派のどちらが化学兵器を使ったかについて見解を示していないが、米国務省のサキ報道官は記者会見で「報告書に記載された情報から、シリア政権による攻撃だったことが改めて確認された」と語った。報告書で特定されたロケット弾やサリンは政権側だけが保有し、反体制派の手元にはなかったというのが、米政府の主張だ。フランスのファビウス外相もこの主張への支持を表明した。これに対してロシアは、化学兵器を反体制派が使った可能性もあるとの説を堅持している。
国際社会が化学兵器の問題を議論する間も、シリア各地では通常兵器による戦闘が続いた。反体制派の地域調整委員会(LCC)によると、17日は子ども4人と女性7人を含め、全土で計70人が死亡した。
トルコ国境付近では16日、シリア軍のヘリコプターが領空侵犯したとしてトルコ軍機に撃墜された。シリア国営通信SANAは、ヘリが「テロリスト」の偵察中に誤ってトルコ領空に入り、引き返す途中で攻撃されたと報じた。