欧州西部で暴風雨被害 倒木で交通網寸断、死者も
(CNN) 英国やフランスなど欧州西部の一帯が28日、猛烈な暴風雨に見舞われ、樹木がなぎ倒されて民家や車が下敷きになったり道路や線路がふさがれたりするなどの被害が広がっている。これまでに少なくとも9人の死亡が確認され、1人が行方不明になった。
警察によると、ロンドン南部のヒーバーで同日午前、民家の上に木が倒れ、就寝中だった女性(17)が死亡。北西部のワトフォードでは車が倒木の下敷きになって50代の男性が死亡した。
南東部沿岸のイーストサセックス州では10代の若者が海に流されて行方不明になった。暴風雨の接近で捜索活動は中断されている。
また、ロンドン西部のハウンズローでは民家でガス爆発があり、男女2人が死亡、1人が負傷して病院に運ばれた。ロンドン警視庁は、倒木でガス管が損傷して爆発の原因になった可能性があるとみて調べている。
ドイツでは倒木や倒壊した塀の下敷きになって5人が死亡。また、オランダのアムステルダムでも観光客1人が倒木により死亡し、フランスのベリールの海岸では女性の遺体が見つかった。
イングランド南部から中部にかけては22万世帯が停電に見舞われた。豪雨の影響で洪水が発生する恐れもあり、当局はイングランド南西部に洪水警報を出して警戒を呼びかけている。フランスでも28日朝にかけ、ピーク時で7万5000世帯が停電した。
交通網にも影響が出ており、英国の鉄道網を管理するネットワークレールによれば、南東部一帯の100カ所以上で倒木が線路をふさいでいるという。ヒースロー空港は28日の便数を減らして対応した。
このほかベルギーやオランダでも暴風雨の被害が出ている。