靖国参拝――戦没者の追悼と近隣諸国からの非難と
(CNN) 日本の政治家による靖国神社参拝が、今秋も中国や韓国から批判を浴びている。戦没者慰霊のために同神社を参拝することは、過去の「侵略戦争」を肯定することにつながるとの認識からだ。
先ごろ執り行われた靖国神社の秋季例大祭に合わせ、安倍晋三首相の実弟である岸信夫外務副大臣や超党派の国会議員150人以上が参拝した。安倍首相自身は参拝を見送り、神前への供え物を奉納した。
中国共産党機関紙、人民日報系の情報紙、環球時報はこれを批判する論説を掲載。中韓両国は理性、感性いずれの面でも靖国神社を受け入れることができないと、反感をあらわにした。日本との貿易がいかに拡大し、経済の相互依存関係がいかに深まろうと、政治家の集団参拝がすべてを打ち消してしまうと力説した。
一方、議員団は参拝が外国メディアに誤解されていると主張。靖国は日本人が平和を願う場であり、各国が戦没者をどのように追悼するかは固有の文化や伝統によって決めることだと述べた。
日本の首相ら政治指導者による靖国参拝はこれまでも、靖国を日本の軍国主義の象徴とみなす中国や南北朝鮮からの強い反発を招いてきた。A級戦犯14人が合祀(ごうし)された靖国に参拝することは、戦犯を崇拝し、日本軍によるアジアでの残虐行為を否定することにも等しいと非難される。