資源も貿易協定もパンダと「交換」 中国の戦略利用
香港(CNNMoney) 中国は現在、約50頭のジャイアントパンダを世界各国の動物園に貸し出している。ここ数年の貸与はほぼ例外なく、中国との間で大型の貿易や投資案件を成立させた国が対象だ。
例えば中国へのエネルギー技術供給で合意した国や、原子炉用ウランの供給国、自由貿易協定を結んだ相手国が、いずれもパンダを受け取っている。
貿易相手国が中国に対価を払ってまでパンダを借り受けるのは、人気者のパンダがいれば動物園の来場者を増やせるためだ。
「パンダは中国に貴重な資源や技術を供給する国に貸与されており、『グァンシー』、つまり信頼や永続性を特徴とする深い貿易関係の構築を中国が意図している象徴でもある」。英オックスフォード大学の研究チームは最近の論文でそう解説した。
例えばスコットランドは2011年、サーモンと石油化学および再生可能エネルギー技術の供給に関する巨額の案件を成立させ、引き換えにエディンバラ動物園がパンダのつがいを貸与された。