放射性物質を積んだトラック強奪 メキシコ
(CNN) メキシコ当局は4日、医療目的で使用されていた放射性物質を積んだトラックが盗まれ、その後トラックと放射性物質が入っていた容器を発見したと発表した。
メキシコ当局が国際原子力機関(IAEA)に行った説明によると、メキシコ市近郊のテポハコで2日、がん治療などの医療目的で使用されていたコバルト60線源をティフアナの病院から放射性廃棄物貯蔵施設に輸送していたトラックが2人組の強盗に奪われた。
コバルト60が入っていた容器は、トラックから1キロ離れた場所で発見された。容器は開封されたあとがあったという。発見された容器の中にコバルト60が入っていたが、当局はトラックの積み荷のうち紛失した物があるか否かを把握していない。現在、当局は、容器が発見された場所に特別部隊を派遣する準備を進めているという。
専門家の間では、コバルト60は広範囲に放射性物質をまき散らす「ダーティーボム(汚い爆弾)」の材料になりうると考えられている。米議会調査局が2011年に発表した報告書によると、コバルト60は、ほんの数分の1グラムでも膨大な量の高エネルギーガンマ線を放出するため、体内、体外にかかわらず有害だという。
IAEAの事務局長も昨年の講演で、コバルト60のような物質を含む汚染爆弾が大都市で爆発すれば、大パニックを引き起こすだけでなく、経済、環境面でも深刻な結果を招くと警告していた。