「スラム風」の高級リゾートに非難集中 南ア
(CNN) 「安全で快適な環境でスラム街を体験」――南アフリカの高級リゾートが売り出した宿泊施設に、「無神経」「貧困層への侮辱だ」と非難の声が集中している。
同国中部ブルームフォンテーンの「エモヤ・ラクジュアリー・ホテル」に今年3月、スラム街を意味する「シャンティ・タウン」という施設が新設された。トタン板で「掘っ立て小屋」を再現した個室は一泊850ランド(約8300円)。各室とも電気、水道付きで、4人まで宿泊できる。
現実感を出そうと、まきで湯を沸かす釜や屋外トイレを設けた。ホテルのウェブサイトは「床下暖房と無線インターネットを完備したスラム街はここだけ」「アフリカらしさを十分に味わえる」と宣伝している。
この施設が最近、インターネット上などで非難を浴びている。情報系サイトのギズモードは「本物の貧困を見たくないリッチな観光客のための偽スラム」と批判。CNNのクリスティアン・アマンプール国際特派員は、貧困と観光を結び付けた「プアリズム」の一種だと指摘した。
エモヤ・ホテルはCNNからの取材依頼に応じていない。