中央アフリカの宗教対立激化、2日間で1000人死亡
(CNN) 治安が極端に悪化している中央アフリカで宗教対立が激化し、2日間の間に1000人あまりが殺害された。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが18日に明らかにした。
アムネスティは、同国で戦争犯罪や人道に対する犯罪が行われていると指摘。裁判なしの死刑執行や遺体の切断、モスクなど宗教関連施設の意図的な破壊が横行し、大量の住民が避難を強いられているとした。
中央アフリカでは今年3月にセレカなどのイスラム武装勢力が首都バンギを制圧して当時のボジゼ大統領を追放し、セレカ指導者のジョトディア氏が暫定大統領に就任。以来、イスラム勢力とこれに対抗するキリスト教の自警団との間で衝突が激化していた。
アムネスティによると、12月5日早朝にキリスト教の自警団がバンギ市内でイスラム教徒を襲撃し、住宅を1戸ずつ回ってイスラム教徒の男性約60人を殺害した。
イスラム勢力で組織する暫定政府軍はこの報復として、2日間でキリスト教徒の男性1000人近くを殺害したという。少数の女性や子どもも犠牲になった。
アムネスティは、「民兵の武装を解除させ、危険にさらされている市民を守る効果的な措置を講じない限り、暴力の連鎖が終わる展望はない」と述べ、民間人を守るために国連平和維持部隊の配備増強などを求めている。