南スーダン首都で戦闘、住民1万人以上が避難
(CNN) 南スーダンの首都ジュバで15日夜以降、クーデター未遂がきっかけとみられる戦闘が続き、市内2カ所にある国連機関の拠点に推定1万人以上の住民が避難している。現地の米大使館によれば、市内には17日も断続的に銃声が響いた。
南スーダンは2011年にスーダンから分離独立した。同国に展開する国連南スーダン派遣団(UNMISS)がフェイスブックで公開した写真には、女性や子どもがなべ、やかん、生活用品などを抱えて国連拠点へ集まる様子が写っている。UNMISSは「17日早朝の時点で推定1万人が保護された」と発表。現地の国連高官は、同日中に1万6000人が集まったとツイートした。
キール大統領は16日のテレビ演説で、7月に解任したマシャール前副大統領を支持する兵士らがクーデターを画策し、15日夜から戦闘を始めたと述べた。大統領は政府が首都を完全に掌握していると強調したうえで、夜間外出禁止令を出した。政府は17日、クーデター未遂に関連して10人を逮捕したと発表した。
戦闘によって多数の市民が負傷し、国際赤十字はジュバ市内の主要な病院2カ所へ支援物資を送り込んでいる。両病院にはこの2日間で計300人以上の患者が詰め掛け、スタッフが24時間態勢で対応に追われた。さらに多くの市民が治療を必要としているが、治安が悪化し交通手段もないため医療機関への移動が困難とみられる。