シリア反体制派の内部対立激化、政府軍包囲 病院が危機に
(CNN) 内戦が続くシリアで反体制派内部の対立が激化し、北部の都市アレッポでは5日、双方の負傷者らを手当てしている病院が患者をかくまう事態になっている。
同国の反体制派は「自由シリア軍」(FSA)と、国際テロ組織アルカイダ系の「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)が分裂し、シリア国内の関係者によると、病院の周辺でも戦闘が激化。双方が病院内の相手を襲撃する構えを見せているという。
これに先立ちFSAは4日、ISISの戦闘員に対し24時間以内の投降と国外退去を要求し、200人あまりを拘束。ISIS側も同日、FSAが拘束した戦闘員を24時間以内に解放しなければ、アレッポの共同戦線を離脱すると通告していた。
戦闘が続く中、病院では発電機や救急車に使うディーゼル燃料が不足し、数日中にも底をつく恐れがあるという。
反体制派内部の抗争が続く一方で、政府軍も3方からアレッポを包囲しているという。関係者は「アレッポの医療スタッフは、もしFSAの患者を手当てしていると分かればISISに狙われ、ISISの患者を手当てしていることが分かればFSAに狙われる。さらに、両方の患者を手当てしていると知れれば政府軍に空爆される」と危機感を募らせている。