スペイン王女に再度の召喚命令、夫の公金横領容疑関連で
マドリード(CNN) スペインの裁判所は9日までに、同国のフアン・カルロス国王の次女のクリスティーナ王女に対し、夫が関与する公金横領容疑事件に関連し被疑者として今年3月8日に出廷することを求めた。
事件捜査は、東部バレアレス諸島マジョルカ島の地方裁判所判事が進めているもので、同王女に対する召喚命令は昨年4月に続き2度目。前回は、証拠不十分を理由に検察側がバレアレス諸島州の地方裁判所に控訴し、出廷命令は却下されていた。
検察側は今回の召喚にも反対している。スペインでは予審判事も捜査権を持つ。同州裁判所の判事4人が今後、召喚の是非を協議し、3月8日以前に決定を下す見通し。
王女夫妻は弁護士を通じ、不正行為を全面否定している。
王女の夫であるイニャキ・ウルダンガリン氏は、自ら率いる財団の公的資金を私的に流用した事件の容疑者として1年以上の取り調べを受けている。ただ、容疑は予備的なもので、最終的に取り下げられる可能性もある。
ウルダンガリン氏は五輪の元ハンドボール選手で1997年に王女と結婚。同氏はパルマ公爵の称号も付与されていた。スポーツや観光振興事業をめぐり地方政府から契約を得る財団を運営している。
王女が絡む醜聞の発覚は、国民の人気が高い王室に打撃となっている。王室は昨年4月、政府に対し同年2月、財政などの透明性を図る新たな法律に王室も対象とすることを求めた事実を公表していた。この法案は9月に成立していた。