シリア反体制派内で対立 死者700人、子ども病院にも被害
(CNN) 英国を本拠とする「シリア人権監視機構」の活動家は12日、同国の反体制派内部の戦闘激化により、9日間で700人近くが死亡したと語った。
シリアの反体制派はアサド政権打倒を目指す「自由シリア軍」(FSA)と、国際テロ組織アルカイダ系の「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)との間で対立が激化。ISISは厳格なイスラム法による支配を目指し、同国北部を制圧しつつある。
シリア人権監視機構によると、1月3日から12日にかけて、反政権派の戦闘員351人とISISのメンバー246人、民間人100人が死亡したという。民間人の犠牲者100人のうち21人は、反体制派の拠点がある北部アレッポの子ども病院でISISによって殺害されたとしている。
一方、フランスのパリでは12日、欧米や湾岸諸国でつくる「シリアの友人」会合が開かれ、シリア内戦に国外の戦闘員が加わっていることを非難して即時撤退を要求する声明を発表。「ISISと対峙しているFSAなどの民主的な反体制派を全面的に支援する」と表明した。
同会合では、1月末にスイスのジュネーブで開かれる和平会議に参加するよう反体制派に呼びかけている。反体制派の間では同会議に参加するかどうかを巡って意見が分かれており、17日に態度を決める意向だ。
会合に出席した米国務省のケリー長官は、「暴力に対する軍事的な解決策は存在しない。交渉以外にシリアの国を救うための方策はない」と強調した。