エジプト軍トップ、大統領選出馬に意欲 国民の要請条件に
(CNN) ムルシ前大統領派と軍主導の暫定政権の対立が続くエジプト情勢で、軍総司令官のシーシ国防相・副首相は11日、国民が望むのなら次期大統領選に出馬するとの考えを表明した。同国の中東通信が報じた。
立候補には軍の委任が必要とも指摘した。エジプトでは今月14、15両日、暫定政権が起草した憲法改正案の是非を問う国民投票が実施される。
改正案の主な内容は宗教政党の禁止や軍が持つ権限の拡大など。改正案が支持されれば、議会選や大統領選の実施につながる。
同国では昨年7月、軍のクーデターでムルシ前政権が崩壊。これ以降、最大勢力だったムルシ前大統領の出身母体のイスラム組織、ムスリム同胞団やその系列政党「自由公正党」などへの締め付けが強化されている。同胞団は前月、テロ組織にも指定された。
これに反発する同胞団などの支持者は抗議デモを繰り返し、治安部隊との衝突も起き、多数の犠牲者が出ている。
前大統領はデモ隊への殺人扇動の罪に問われ、公判が続いている。ムルシ氏は公判の合法性を認めず、自らが依然正当な大統領と主張している。