英南部で洪水の被害拡大、1人死亡 250年ぶりの降雨量
(CNN) 英国南部が9日にかけて猛烈な暴風雨に見舞われ、複数の村が洪水で孤立、停電や鉄道網の寸断などの被害が出ている。これまでに1人が死亡し、住民数百人が避難。悪天候は今後も続く見通しで、洪水などの被害がさらに広がる恐れもある。
暴風雨は10日にいったん収まるものの、11日以降は再びハリケーン級の風雨が強まる見通し。樹木がなぎ倒されたり交通網や電力網が寸断されたりする恐れもあるとして、気象庁が警戒を呼びかけている。
英国では昨年12月上旬から悪天候が続き、イングランドの1月は1766年以来248年ぶりの降雨量を記録していた。イングランドとウェールズの南部から中部にかけての低地には何度も洪水警報が出され、これまでに住民数百人が避難。既に大量の水を吸った地面にこれ以上の雨が降れば、英全土でさらに洪水の危険が高まる恐れもある。
サリー州ではテムズ川が氾濫(はんらん)して7歳の少年が死亡、17人が体調不良を訴えて病院に運ばれた。警察によると、体調不良の原因は不明だが、洪水との関係も否定できないという。
沿岸部には高波が押し寄せており、イングランド南西部のダウリッシュでは防波堤が破壊されて線路の一部が海に崩壊。周辺の住宅や道路にも被害が出ている。
キャメロン首相は7日に被災地を視察し、対応を協議するため9日に緊急閣議を招集。現地には軍が派遣され、土嚢を積んだり堤防を補強したりするなどの対応に当たっている。