ロシア、クリミア隣接地域に「進軍」 ウクライナが撤収要求
ウクライナ・キエフ(CNN) 緊迫した情勢が続くウクライナの国境警備隊当局は15日、ロシア軍兵士約60人が同日、ウクライナ南部クリミア半島の北東部に接するヘルソン地方に進軍したと発表した。
これら兵士はヘリコプター6機や装甲車両3台に分乗し、ストリルコエ町に入ったという。
これを受け、ウクライナの国境警備隊は防御態勢を敷いた。ウクライナ外務省は軍事侵略と非難、ロシアに対し部隊撤収を求めた。
クリミア半島の住民はヘルソン地方から電力、真水や天然ガスの供給を受けている。ウクライナの国境警備隊によると、ロシア軍は今回の行動の目的について石油資源へのテロ攻撃の可能性を封じるためと説明したという。
ロシア軍が16日時点で、同町にとどまり続けているのかは伝えられていない。
クリミア自治共和国では16日にロシア編入の是非を問う住民投票の実施が予定されている。同共和国はロシア系住民が多数派のため編入支持は確実視されており、ウクライナ情勢がさらにこじれる恐れがある。
ウクライナ暫定政権は住民投票を違憲と非難。ロシアは投票結果を尊重するとし、編入を支援する構えを見せている。
一方、国連安全保障理事会では15日、住民投票を無効とする米国主導の決議案を採決し、ロシアが拒否権を行使して廃案になった。安保理15カ国のうち13カ国が支持し、中国は棄権した。