クリミアの親ロシア武装集団、ウクライナ海軍本部を占拠
危機打開に向けた外交努力も続けられている。国連は潘基文(パンギムン)事務総長が今週ロシアとウクライナを訪問すると発表した。モスクワで20日にプーチン大統領、ラブロフ外相と会談し、21日にはウクライナの首都キエフでトゥルチノフ大統領代行や暫定政権のヤツェニュク首相と会談する。
19日に国連で演説したウクライナのセルゲイエフ国連大使は、「文明世界はクリミアの非合法的な独立宣言と、我が国の領土からの暴力的な離脱を承認しない」と強調。「クリミア共和国の独立宣言は、武力行使とロシアからウクライナに対する脅しの結果だ」と訴えた。
バイデン米副大統領は19日、リトアニアの首都ビリニュスで同国およびラトビアの大統領と会談。「バルト諸国と共に、ウクライナ国民のため、そしてロシアの進攻に対抗するため決然とした態度を示す」と語った。
米当局者によれば、ロシア軍はウクライナとの国境近くに武装した兵士を集結させているといい、予告なくウクライナに侵入する可能性もあるとみて警戒を強めている。
一方、ロシアのRIAノーボスチ通信によると、ロシア憲法裁判所は19日、クリミア半島のロシア編入に関してロシアとクリミアとの間で交わされた条約は合憲との判断を示した。ロシア下院は20日に条約を批准する見通し。