インド選挙の「ウーマニフェスト」 女性の権利が争点に
代表的なのは、国会と地方議会の議席の3分の1を女性に割り当てる「女性留保議席法案」の制定や、集団レイプ事件の被告を裁く際に採用された早期結審裁判制度の施行などだ。
党ごとに個別に見ていくと、与党の国民会議派は、全警察署の職員の少なくとも25%を女性にすると明言している。最大野党のインド人民党(BJP)は投票初日にマニフェストを発表、女性の安全の確保という目標を盛り込んだ。
犯汚職を掲げる新興の庶民党(AAP)も記者会見を開き、女性の安全が「最大の争点として浮上した」として、これを党の優先課題とすることを約束している。
ナンディ氏はこうした公約について、過去の選挙と大差なく「場当たり的だ」として批判する。しかし、特に集団レイプ事件への批判が高まって以降、変化の兆しはみられている。2013年に制定された改正刑法では、ストーカー行為やのぞき見が犯罪とされた。警官を刑事告訴することも可能になった。
ただ、ナンディ氏は「これでは不十分だ」と述べ、夫婦間レイプがいまだ犯罪とされていないことなど、政府の対策の物足りなさを指摘する。