親ロシア派に死者、軍事的緊張高まる ウクライナ
キエフ(CNN) ウクライナ暫定政権は24日、東部スラビャンスクで軍が展開している武装勢力の制圧作戦で、親ロシア派の5人が死亡したと発表した。これに対してロシアは国境付近で軍事演習を実施すると表明、両国間の軍事的緊張が一層高まっている。
ロシアのプーチン大統領は同日、「もしウクライナ政権が国民に対する武力行使に踏み切ったとすれば、極めて重大な犯罪であることは間違いない」と警告した。
国営ノーボスチ通信によると、その直後にロシアのショイグ国防相は、ウクライナ南東部での事態に対応して同日から国境付近で軍事演習を実施すると表明。「このような状況の展開には対応せざるを得ない」と述べている。
ウクライナ外務省はロシアに対し、48時間以内に軍事演習について説明するよう要求したことを明らかにした。ロシアが要求に応じなかった場合の対応については明言していない。
ロシアはウクライナとの国境付近に推定4万人の部隊を集結させていたとされ、北大西洋条約機構(NATO)や米国が警戒を強めていた。
国連の潘基文(パンギムン)事務総長は同日、全関係者に対して暴力や脅しを自制するよう促す談話を発表。「収集のつかない事態になり、予想もできない結果を招きかねない」「どのような代償を払ってでも軍事行動は避けなければならない」と訴えた。