ウクライナが東部に兵力1万5千人集結か ロシア国防省
キエフ(CNN) 親ロシア勢力と暫定政権のにらみ合いが続くウクライナ東部情勢で、ロシア国防省は26日、ウクライナ政府がスラビャンスク市郊外に兵士約1万5000人を配置し、同市攻略の構えを見せていると発表した。
国営ロシア通信が国防省筋の情報と伝えた。ウクライナ軍の集結は衛星写真で判明したとしている。スラビャンスク市では親ロシア勢力が行政機関庁舎などの占拠を続けており、ウクライナ軍は「第2段階の反テロ作戦」の着手を宣言した。
同軍による最初の制圧作戦では親ロシア派の戦闘員5人を殺害したとも発表していた。
ロシア通信によると、スラビャンスク市近郊のウクライナ軍は戦車約160両、歩兵戦闘車両230台、装甲兵員輸送車、迫撃砲や多連装ロケット弾発射装置などを動員している。
ロシア国防省筋は、少量の短銃や散弾銃などで武装する同市の親ロシア勢力を圧倒する戦力と指摘した。ウクライナ東部にはロシア系住民が多い。ロシアのプーチン大統領はロシア系住民の迫害を非難、情勢次第では軍事介入に踏み切ることも警告している。
ロシア軍はウクライナ東部と国境を接する領内に4万人規模の兵力を待機させているといわれる。スラビャンスク市で親ロシア派の戦闘員5人が死亡した後、新たな軍事演習の開始も宣言し、揺さぶりをかけている。ウクライナのヤツェニュク首相は26日、ロシア軍機が25日夜から翌日にかけウクライナ領空を数度にわたって侵犯したことを明かしてもいた。