タイ軍事政権、インラック前首相を解放
タイ・バンコク(CNN) 軍がクーデターを宣言したタイで、一時的に拘束されていたインラック前首相が解放された。軍関係者が明らかにした。
前首相の関係者も、インラック氏が軍の施設から解放されたことを確認した。
インラック氏はクーデター翌日の23日、軍事政権の「国家平和秩序評議会」に出頭を命じられていた。ほかにも政治家や活動家など100人以上に出頭命令が出されている。
軍事政権の関係者は、「平和と秩序の維持に協力し、抗議デモなどの政治運動にかかわらないこと」がインラック氏に求められたと述べ、インラック氏は行動や通信の自由も認められているとした。
一方、インラック氏の側近によると、同氏がいつ解放されたのかは確認できず、「行動の自由や通信の自由があるとは思わない」という。
軍の報道官は24日の時点で、国家平和秩序評議会が約150人に対し出頭を命じていることを明らかにした。この中にはインラック前首相と対立する勢力の指導者ソンティ・リムトーンクーン氏も含まれる。
バンコク市内は25日、軍のクーデターに反発するデモ隊と治安部隊の間で散発的な小競り合いが起きたほかは、大部分平穏だった。26日には抗議デモがさらに増える見通し。
軍事政権は戒厳令を発令し、夜間外出禁止令や報道規制を敷くとともに、上院を解散させた。
しかし24日にはMCOT、TPBS、NBTなどの主要テレビ局が放送を再開している。